華様ドラマ考

香港・台湾・大陸の日本未放映の華流ドラマをご紹介

定制幸福

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出演

童瑶、喬任梁、劉天佐、孫驍驍、米露

あらすじ

田暁妮はデザイナー、顧佳はメイクアップアーティスト、その従妹である李翠翠は田暁妮のアシスタントを務めている。
3人は女優である劉露のお抱えスタッフである。
美人でスタイルの良い田暁妮は人目を惹く容姿であるが、交際相手に対しては厳しい条件を設けていて理想の相手と巡り合えないでいた。

展望は3年前まで国際的なレーシングドライバーであったが恋人の事故死により、今はメカニックとして修理工場で働いている。
事故死以降、親友である高大勇にしか心を開かずふさいだ生活をしていた。

あるレセプションに出席する劉露について衣装を用意していたが、とある女優と衣装がかぶっていることが判明し急きょ衣装を取りに帰ることに。
同じレセプションに出席する高大勇についてきただけの展望が車の側にいたため、田暁妮に車を出すようにお願いされるが
事故以来、自ら運転することを拒否している展望は首を縦に振らない。
業を煮やした田暁妮は展望からキーを取り上げ自分で運転を始めようとする。
仕方なく展望が代わりに運転をするが帰り道、恋人が事故死した現場を通った際に運転が出来なくなり車を降りてしまう。
とにかく現場に戻らなければならない展望を置いたまま運転し現場に戻る。

田暁妮はセレクトショップで入荷依頼をしていたブランド物のバッグを取りに向かう途中で、車と接触事故を起こしてしまう。
その相手は展望と高大勇であった。
急いでいた田暁妮は事故処理を顧佳に頼み、展望が捕まえたタクシーに無理やり乗り込みセレクトショップに向かわせる。
タクシーにスマホを忘れた田暁妮に気づき嫌々ながらも後をついていく展望。
そこで、有名デザイナーである白若雲に依頼したバッグを買われ、デザイナーとしての価値を否定されている田暁妮の姿を目にしてしまう。
たかがバッグにムキになるなと言う展望に対してどれだけ自分にとって価値がある物かと喧嘩腰に歯向かう田暁妮。
そんな田暁妮に衝突の際に怪我した部分に触れ一緒に病院に行こうという展望。
ふいにやさしい事を言われ、素直に従う田暁妮。


この一件以来、唯一のお抱えであった劉露に契約を解約されてしまう田暁妮。
また、結婚する予定であった顧佳が相手に騙され田暁妮が融資していたお金もすべて持ち逃げされてしまった。
借金も増え、顧客も居なくなり個人では立ち行かなくなり、店は閉めることに。

それ以降も何かと田暁妮と展望は顔を合わせることに。
会うと口喧嘩が絶えないが、お互いにSNSで連絡を取るようになる。
ある日、田暁妮がSNSにアップした虹が掛かる空の写真を見て自分が住んでいる近くに住んでいると知った展望は
望遠鏡で田暁妮の部屋を見つけ、彼女の日常を見ることに。

仕事がなくなった田暁妮は不本意ながらも白若雲の事務所に雇ってもたらうことにした。
裕福な中年男性と顧客契約を結びたい田暁妮は無理な注文を出す男性とのやり取りに嫌気がさしていた。
ただ大口契約のため、ごまかしながらも付き合っていたが、ある日彼の車に乗せられ家に連れて行かれてしまう。
その話を顧佳から聞いた展望は家に押しかけ田暁妮を助けるために飲み比べをすることに。
田暁妮は泥酔した展望を家に送り届けそのまま家に泊まることに。
豪華な展望の部屋に興味津々な田暁妮は望遠鏡を見つけ自分の部屋を見られていることに気づく。
言い訳をはじめる展望だが突然田暁妮にキスをし話を終わらせる。
そんな時、田暁妮を訪ねてきた父親が展望の部屋にやってくる。
実は田暁妮が展望を抱えながら部屋に入っていくのを目にしていたが、オートロックなため入れず一晩外で過ごしていた。
父親に展望は恋人だと思わず口走ってしまう田暁妮。

豪華な部屋やカーレースに工場のメンバーとメカニックとして参加する展望を見て実は金持ちではないかと思い始める田暁妮。
何かと自分に世話を焼いてくれる展望は自分に好意を持ってくれていると確信し始めるが、決して口には出さない展望にイラツク毎日。
展望も田暁妮に対して好意を持っているが、どうしても亡くなった恋人のことが忘れられないでいた。
ある日、自分の気持ちとしてオーダーメイドのドレスシャツを展望にプレゼントする田暁妮。
感激した展望だが、田暁妮に自分の事をどう思っているかあらためて聞かれるが普通の友達としか答えられずにいた。
もう少し時間が欲しいと田暁妮に頼むが、理由を知らない田暁妮は自分にはどうにも出来ないと嘆く。

縮まりつつあった距離が再び離れてしまい悩む展望。
田暁妮はデザイン会社の社長に好意を持たれる。仕事仲間としか考えられない田暁妮だが、レース関係で訪れたレース場に
二人でいるところを展望に見られる。
わざと展望に見せつけるように振舞うが、嫉妬しつつもただただ見つめるだけの展望に何故に自分から動かないの!と詰め寄ってしまう。
亡くなった彼女への思いを清算し田暁妮と新たに進むことを告白する展望。
やっと理想の相手と巡り合えたと喜ぶ田暁妮だが、ある日自分の車を修理したと展望から連絡があり指定された工場へ向かう。
しかし指定された工場は想像とは違い、街の自動車修理工場で展望もただの修理工だと知る。
豪華なアパートは親友である高大勇の持ち家で、タダで住んでいることも知り、愕然とする。
急に態度が変わった田暁妮を理解できない展望は彼女に詰め寄るが、自分は結婚するための条件がありあなたでは無理だと言われてしまう。
時間をくれれば望むものはあげられるという展望に対して田暁妮は何年待てばいいの?と冷たく言い、二度と合わないと別れを告げられてしまう。

自分の理想の条件ではなかったが人として展望を好きであった田暁妮は悲しみに暮れるが、デザイン会社の社長から思いがけずプロポーズを受ける。
条件的には理想通りだが、イマイチ気が乗らない田暁妮。
結婚話が進んでいくが、ある日相手の弁護士から結婚契約書を渡されサインするように言われる。
その条件に納得がいかない田暁妮はアパートの屋上で泥酔する。
心配し様子を見に来た展望にその条件を見せるが、人身売買だと反対をされる。
自分のことを一番理解し、一番相談したい相手は展望と認めながらも結婚話を進める田暁妮。
そんな中、結婚に反対していた田暁妮の父親が倒れ病院に運ばれる。
結婚の延期を申し出るが、後日相手から婚約破棄を言い渡されてしまう田暁妮。
茫然自失となる田暁妮を心配して叱咤激励をする展望に対して、本当に好きな相手は
展望と自覚するが散々傷つけてきたことから言うことが出来なかった。

入院した高大勇の母親の見舞いに行った田暁妮と展望は帰り道通り雨に遭う。
雨宿りをしている中、「ありのままの自分であなたと向き合いたい」と自分の素直な気持ちを展望に告白する田暁妮。
展望も又、田暁妮に自分の気持ちを告げ、再び付き合うことになった。

レーサーとしてサーキットに立つことを決心する展望。
ただ3年のブランクを埋めることは難しく、また莫大な資金が必要だった。
支店の店長候補に立候補した田暁妮だが、自分の助手であった李翠翠もその座を狙っていた。
実績的には到底田暁妮には叶わない李翠翠は支店の資金繰りに行き詰まっていることを知り、資金提供を受けられる顧客を探し出し白若雲に提案をする。
支店の店長が決まる日、祝賀パーティーを用意していた田暁妮の家族や展望は田暁妮が店長にはなれなかったことを知る。
李翠翠の元、副店長として雑務に追われる田暁妮は嫌がらせにも似た李翠翠の行為に嫌気がさし会社を辞めてしまう。
展望は下がってしまったレーサーのライセンスを上げるために必死に走行を重ねるがタイムは上がらない。
その為スポンサーも付かず、高大勇の資金も底を付きかけていた。
展望が資金繰りに苦心していることを知った田暁妮は今までの顧客を頼りにスポンサー探しを始めるが、なかなか見つからない。
当てがなくなった田暁妮は自分の宝物であったブランド物の希少なバッグや靴を売りに出し、その資金を展望に提供する

婚約破棄された相手から自分が関わっているデザインコンテストがあり、そこで優勝すれば自分のブランドを立ち上げられると言われる田暁妮。
二度と関わりたくはなかった相手だが、自分の店を持ちたいという夢はあきらめられない。
迷っている田暁妮に対して展望は夢は実現させるべきだと後押しし、挑戦することにした。
展望は達成すべきタイムを出すことが出来、本番を迎えることに……
田暁妮は1次、2次と勝ち抜き、決勝へと向かうことに……

所感

長い…ほぼ最終話以外の内容を書いてしまった。
これでも端折ってる部分は多いけど。
偶然の出会いから始まって、口喧嘩しつつも互いに嫌いじゃないし、なんだか気になる相手というよくあるパターン。
しかも女性が拝金主義で男性がお金は無いけど才能が有り従順な人柄というこれもよくあるキャラ設定で。
でも、まったく飽きないのが不思議。
このドラマで新しいなと思ったのはレースを一つのテーマで持ってきている点でしょうか。
しかもどれだけレースに金が掛かるかっていうのをかなりリアルに描いていて、何なら格好良いところはほとんど描かれてないと言ってもいいかも。
それぐらいキレイごとにはしてないのが新しかった気がします。
レーサーとして成功して結果的にはお金持ちになって選んだ相手は間違いじゃなかった、私!!という終わり方を想像しますけど
これはそうは問屋が卸さない、なかなかホロ苦い大結局で。
というか、最後の2話ぐらいはほとんど展望が登場することがなくなり、会話の中でしか触れられないという。
しかも、こんだけ全話でモメながらも絡んでいた田暁妮と展望の2ショットが1シーンぐらいしかなくて。
大結局に関しては皆無!
これ、どういうことなんだろうか……もっと掘り下げて良かったんじゃないの?
喬任梁の体調が悪くなった頃だったからなのか…とか穿った見方をしちゃうぐらい中途半端。
続編を作るつもりだったなら納得しないわけでもないし、まあこういう終わり方もあるにはあるけど
もう少し二人のシーンがあっても良かったと思うわけですよ。
「電話もSNSも繋がらないの。自分自身で克服するしかないから放っておくしかないわ」ってセリフだけ…冷たくないっすか!?
会いに行けよーーー田暁妮!あんだけ自分のこと一生懸命世話焼いてくれたじゃん!とツッコミまくり。

既にネタばれしてますけど、結局レーサーは諦めて一人ドイツに行ってしまうのです、展望は。
しかも田暁妮にはメールだけ寄越して、直接会うこともせずに。
資金も底を付き、高大勇も自分の料理店を手放してまで展望に望みを掛けていたのにそれが成し遂げられなかったという負い目もあって。
もう一度、ドイツで一人でやり直してみるという文言だけで。
ここ、追いかけるなり、一目会いに行くなりあっても良かったのではと思ったのですが。
かなりあっさり……田暁妮は優勝して自分のブランドを立ち上げられて夢を叶えられたけど、展望は出来なかったという対比に余韻を持たせたのかもしれないけど。

 

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このドラマは童瑤に尽きる(個人的には)。
とにかく美しいし、スタイル良いし、芝居上手いし、笑ってもヒステリックに怒鳴っていても魅力的。
かなり自己主張が強く、キツい物言いを常に展望にしているんだけど、それでも惚れてしまう魅力があるように描かれている。
強い部分と弱い部分と可愛い部分とを巧みに演じ分けている童瑤の演技力が光ってる。

 

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そして相変わらずどんな役を演じても上手い喬任梁。
この作品は亡くなるちょうど1年前に撮影していた作品で、この頃から発症していたのかもしれないな~
と要らぬ情報を持ちながら見てましたが。
クールというよりかは暗い役だった。
後半、恋愛が成就してからは若干笑顔が増えるものの終始眉間に皺寄せて悩む顔が多かったな。
ワガママな田暁妮に翻弄されながらも一途に思っている表現とか本当に上手くて、そういうシーンが多かったので個人的には満足でしたが。
彼は若いのに一人悩む姿にとても哀愁がある役者さんだな~とあらためて思った。
だから繊細過ぎたのかも知れませんけどプライベートでは。

他の演者の皆さんも達者な方ばかりで、喬任梁以外にイケメンが皆無というなかなか珍しいドラマでしたけど(苦笑)
田暁妮と結婚するはずだった社長もイケメンなのかどうなのか微妙なお顔で…
高大勇に関しては愛嬌あるデブキャラだったので、そこもね。
まあ、大陸では人気ある役者さんみたいだし、展望を常に見守っている兄的な立場としての存在感は十分ありましたけど。

喬任梁作品でも上位にくる満足度が高いドラマでした。