華様ドラマ考

香港・台湾・大陸の日本未放映の華流ドラマをご紹介

賭場風雲

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出演
歐陽震華、苗僑偉、宣萱、黄宗澤、楊怡

あらすじ
齊歡暢はポーカーの達人でありギャンブルに目がない。
年の離れた弟と両親とラスベガスを訪れた際、ゲームに熱中するあまり幼い弟が誘拐されてしまう。
20年あまり弟を捜し続けるが未だ見つけることが出来ない。
その間、世界ポーカー大会で優勝を目前にしながらもライバルである喬正初の手中に嵌り財産も名誉も全てを失ってしまう。
喬正初は世界王者という肩書きを武器に豪華ホテルのギャンブル場の総裁を務めている。
散々放浪した挙句に、20年ぶりに香港へ戻ってきた齊歡暢はギャンブル狂である李青雲と出会う。
彼女は収入を全てギャンブルに使うため家族に心配されているが、面倒身が良い気の良い女性であり、齊歡暢と意気投合する。
同じアパートに住む自閉症の青年・張来富は誰にも心を開かないが、唯一李青雲にはなついている。
その堕落した生活を送る張来富に対して何かと小言を言う齊歡暢を疎ましく思うが顔を合わせることが出来ない張来富はある日逃げ出してしまう。
張来富が居たベッドの中に幼い頃に弟にプレゼントしたオリジナルのトランプを見つけた齊歡暢は、実は彼こそが誘拐された実の弟であったことを知る。
張来富を捜す中、偶然喬正初と再会する齊歡暢。
喬正初のギャンブル場に通っている李青雲と齊歡暢、喬正初との関係が始まる。
心を閉ざしながらも、実はトランプの数字に関して異常な記憶力を持つ張来富。
その才能を見出した李青雲は喬正初のギャンブル場へ誘い勝ち進む。
同じくその才能に気づいた喬正初は張来富に対して興味を持つようになる。
また、張来富自身も大好きなトランプゲームの覇者である喬正初に心を開くようになり側に置いて欲しいと打ち明ける。
初めて赤の他人に心を開き、自分の意見を言うようになった張来富に喜ぶ李青雲は
反対する齊歡暢を説き伏せて、喬正初に預けるように説得する。
誘拐された後、孤児院から継父とは名ばかりの人身売買の組織に売られたりと壮絶な人生を送っていた張来富に対して
今更兄だと名乗れずにいる齊歡暢。
フィリピンにギャンブル場を開く喬正初に泣く泣く張来富を預けることに。
フィリピン、香港と再び別れ別れになる兄弟だが、張来富は喬正初を「師匠」と仰ぎますます傾倒していく。
そんな中、香港で再会した昔なじみの周福栄により同じくフィリピンで仕事を得る齊歡暢。
それは喬正初が経営するギャンブル場の主任の職であった。
願ってもいない弟との再会だが、兄だと未だ知らない張来富にとってはウルさい相手でしかない。
喬正初に師弟としてポーカーの真髄を叩き込まれ、それに応えるように前向きになっていく張来富。
そんな中ある事件が起きる。

所感
長い!まだまだ前半の部分しかあらすじが書けないーーってぐらい盛りだくさん。
この後、二転三転します。
いったい何年間の話なんだっけ?って思ってしまうぐらい(約1年間ぐらいですけどね)
香港、フィリピン就航何十周(?)年記念作品ってことで主な舞台はフィリピン。
ギャンブルするならマカオでいいじゃん、船乗っていくだけなんだしって言ってしまうとそもそもこのドラマが成立しません。
実際、フィリピンってそんなにギャンブルというかカジノって盛況なのねってことを知る。
ただ、フィリピンの豪華ホテルなのに全員広東語で対応ってところがムリクリ感満載でさすがです、TVB
とにかくこのドラマの面白さを全て背負っているのはミスターTVBこと歐陽震華。
もうこの人が出るドラマで面白くないモノはない。
決して好きなタイプではないけれど、あのハゲ頭とビール腹とギョロ目のインパクト、
そして朗々と響き渡るアルトの声で画面に登場すると全て納得してしまうというか。
存在感が半端ない。シリアスでもコメディでも何でも自在なのよね。
そんな大ベテランにくらいついていくBoscoはなかなかチャレンジングな役だったと思う。

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正直兄弟っていうのには無理があり過ぎ……
前半の自閉症青年は顔を上げない、口調は子供、表情は無し、動きは鈍い、ところから後半いつもの自信満々のBoscoに戻るまでの過程が見応えあり。
普通の青年に戻る途中で恋愛をするわけですが、その恋する純情青年っぷりが可愛くてずっとそのキャラのままで良いよとか思ってしまった。

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相手役の楊怡はフィリピンに移民した香港人役。
日サロ?ってぐらい頑張って黒くしてたし、頭弱そう~なでも純粋な女性をあの老け顔ながら可愛らしく演じていて良かった。

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そして、一番の問題児はこの方。
三哥こと苗僑偉。
本当に何演じても同じ、大根とはこういう人を言うのね~と思わずにはいられない。
一言で言えば、大味な演技。
歐陽震華の緩急つけた表現力と対峙すると、その表現力の乏しさに残念な気持ちになる。
口元で微笑み、目を見開いて驚き、我を忘れてわめき散らす…だいたいこの3パターン。
まあどんな表情しても整っているので成立しているところはあるんだけど、もう少し表現力をつけようよ。
ただ、悪巧みをするキャラは最高。
絶対良い人じゃないよねオーラをまとって登場してくるので非常にわかりやすい。
本当に人でなしの役でした(爆)

全35集なので見応えあり。
話自体も長いけど破綻はしません。
ご都合主義なところも少なからずはあるものの、最後までどう展開していくのかわからなかった点では面白かった。
張来富が口ウルさい齊歡暢が実の兄だったことを知るシーンは切ないし、すぐに兄弟仲が復活するわけではなく
最後の最後まで実の兄よりも喬正初を求め、信じ続ける弟。
最初に目にしたモノを親と思うカルガモか?ってぐらい、初めて自分を一人の人間として扱ってくれた
喬正初を父のように慕う姿が不憫で、不憫で。
その純粋さを自分の欲のために利用する喬正初。
この引っ張り具合も最後まで飽きずに見られた要因かも。

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2006年ぐらいの作品なのでほぼ10年前。
まだまだ若かったBosco。